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2010年11月30日火曜日

留置場でのいろいろ

 警察署の留置場は、あくまで被疑者を留置しておく場所で、起訴されるまでの間に取り調べをするために留め置かれる場所であり、起訴後は拘置所に移送になるわけですが、永い人は1年以上も留置場のままの方もいます。
 私の居た世田谷署には、去年の8月からの入っている方もいて、「運動の時間」にちょっと聞いたところによると、複数犯の場合や、なかなか罪を認めなかったり黙秘しつづけて調書がまとまらない場合、10日おきに拘留延長され続けて長い間入ることになるようです。
 その方はもちろん国選の弁護士をつけているのですが、保釈請求が却下され、今だにいつ出られるかわからないとのことで、長く陽に当たらないためか青白い顔をしていました。

 留置場にいる間はあくまで被疑者、つまり犯罪を疑われている段階であり、犯罪が確定しているわけではありませんので、一国民として平等に扱われて良いはずですし、扱われるべきですが、一度入ってしまうと到底そんなわけにはいきません。それが冤罪であったとしても、留置場に入った瞬間から、既に犯罪者に対する扱いになります。
 名前は番号で呼ばれ、常に監視されて(当然といえば当然かもしれませんが)、規則に従わない者はさらに扱いがひどくなります。自分の持ち物は全てとりあげられ、逮捕された瞬間から誰にも連絡することができなくなります。 私の場合は、逮捕となる直前に家に電話をさせてもらえましたが、現行犯逮捕のようにいきなり手錠をかけられると、家族に連絡も取れず、しばらく行方不明状態になってしまい、家族が捜索願を警察にだして、初めて逮捕されて留置されていることが分かることもあるようです。
 服は自分の物を着ていられますが、ベルトや指輪、金属類はもちろん駄目で、メガネさえ就寝時に預けなければならないのです。
 規則ももちろん厳しく、同じ房の人とでもあまり盛り上がって話していると注意されるし、態度が悪ければ一人部屋に移されます。
 風呂は5日に1度、洗い場の蛇口は3ヶ所あって3人づつ入りますが、浴槽は1人でも狭いくらいの小さな浴槽で、入浴中もドアの小窓からずっと看守に監視されます。手紙は便箋5枚までで一日1通しか出せず、内容はすべて検閲されます。ボールペンは借りられますが、午前10時から午後5時までで、危険防止のためかペン先は0.5mm程しか出ておらず、下手な字がますます下手くそになります。
 部屋は冷暖房こそ効いていますが、鉄の網と鉄格子で区切られているとはいえ、遮断するのは外側の窓だけですから、暑かったり寒かったりで、人間が長く生きられる環境でないのは確かです。
 ともかく、そんな状況で私は「一晩泊まって行け」の話が、3日になり1週間になり、とうとう1ヶ月留置されることになってしまいました。
 その原因は、後で判ったことですが、私が弁護士を依頼しなかったことがまずかったようです。
(つづく)

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