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2010年12月4日土曜日

4月2日(金) 22日目 ~日記より~その2

 彼は熱心なカトリックらしく、朝、昼、晩と、毎日10分以上のお祈りをかかさない。夜中も俺がふと目を覚ますと、起きあがって祈っているときがある。
 彼も俺も、片言の英語で話しているのだが、普段は気さくな人柄で結構冗談も言う。ただ、家族のことを思い出すと、急に泣き出してしまう。それが日に2,3度ある。
 最初は俺もなぐさめていたのだが、最近は黙って、ただ見て見ぬ振りをしている。なぐさめたところで、どうにもならないのだ。
 ただ、「Be positive.」と言ってからは、泣きやんだ後俺に向かって「...Be positive...」とVサインをだし、「Be happy」と言うことがある。
 5人のあまり親しくもないコロンビア人の「盗み」と「偽造パスポート」。事件とすると、異国で言葉もなかな通じない事もあり、かなり困難なものになるだろう。いくら彼がやっていないと主張しても、認められない可能性の方が高い。
 既に起訴されて、今月26日には初公判も行われることになっているのだが、今日の調べはなんなのだろう。
 昨日、彼はやっと家族に短い手紙を出すことができた。
 ここに入れられて、すぐに手紙を出そうとしたところ、3ページにおよぶ家族にあてた手紙は、検閲のため日本語に訳すのに15000円かかり、エアメールで送るのに4000円かかると言われて、あきらめてしまったらしい。
 今週月曜日に、ほんの数行の短い手紙を書いて看守に出した。翻訳料は3900円だったそうだ。昨日、翻訳された日本文を見せてもらったが、内容は彼の母親宛で、家族の名前を全部書き(彼には2人の息子と、1人の娘がいる)、愛していることと、心配しないで欲しい(と書いて、その下に弁護士の住所と電話番号)、最後に「忍耐です」と書かれていた。
 初めて訪れた異国で逮捕されると、カルチャーショックもあるだろうし、法律や常識の違いもあるし、かなり複雑なことになってしまうようだ。
 彼の弁護士は、東京で唯一スペイン語を話せる弁護士なのだそうだが、彼によればかなり年輩で、いつも疲れているらしく、呼んでもなかなか来ないし、2,3日後にやっと来たと思って面会すると、「今日は疲れているから、もう帰らせて欲しい」などと言うそうだ。彼もほとほといやになると言っていた。
 国選弁護士とは言えプロ意識にかけているし、弁護士にもいろんなのがいるようだ。

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