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2010年12月6日月曜日

4月6日(火) 26日目 ~日記より~

 外は春らしい暖かな陽気に変わっているようだ。運動室の5cmほどのすき間から見える空は青く、新年度らしくあわただしい音が聞こえてくる。
 昨晩8時に弁護士さんが来てくれた。妻と選任契約し、裁判所に行って保釈請求も済ませてくれたとのことだった。保釈申請の際に、裁判官から「保釈金はいくら用意できるか?」と聞かれたとのことで、先生が言うには、保釈するつもりがなければ、それは聞かれないので、保釈はほぼ間違いないらしい。先生は、最低金額の200万と言ったらしいが、それが通るか、250万になるかは全て裁判官の判断によるので、わからないとのことだった。
 今週木曜日に、再度裁判官に会って、保釈要求を強く説明することになるが、もしかするとその場で保釈金額と、保釈が決定される可能性もあるという。そうなれば、すぐに保釈金を先生経由で裁判所に振り込んだとして、最短で金曜日に釈放、事務手続きが遅れたとしても、来週月曜日には出られるだろうということだった。ただし、100%ではないので、ぬか喜びにならないよう、過度な期待はしない方がいいと釘をさされた。
 俺に悪態をついた町田検事は、4月から地方にとばされたので、もうこの件に関わることはなく、裁判での担当検事は別の人になるという。先生に「だから、安心してください。」と言われた。...安心はともかく、二度と顔を見たくないのは本心だ。
 朝のタバコの時間、もう一人のここが長そうな、第3居室の人と話をした。ここに入って6ヶ月だそうだ。昨日話した人が8ヶ月だったし、結構長くなる人もいるようだ。
 タバコの時間が終わり、房に入る時に、いつもの背の低い初老の看守さんに、「どうだ、春はきそうか?」と小声で聞かれた。「まだ、わからないですね。」「そうか、まあ、頑張ってくれよ、な。」...何を頑張れば良いのか分からないが、やはり気にしてくれている心を感じて嬉しかった。
 ただ、まだトンネルを抜けたわけじゃない。このトンネルを抜けると、そこが雪国なのか、雪解けの春が待っているかは、ここを出てからじゃないとわからない。もう、自分の力だけではどうなるものでもなくなっているのだから。ただ、今ここで自分がどう動くか、ということが大切だと思っている。人間らしく、精一杯行動しようと思う。

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